あれよ

この数年間、とにかく前に進みたくて

 届かないものに手を触れたくて

 それが具体的に何を指すのかも 

 ほとんど脅迫的とも言えるようなその思いが 

 どこから湧いてくるのかもわからずに僕は働き続け

 気づけば、日々弾力を失っていく心がひたすら辛かった

 

 そしてある朝 

 かつてあれほどまでに真剣で切実だった思いが綺麗に失われていることに僕は気づき…